仕事をしながら日商簿記1級に受かるまで、どれくらいかかるか知りたいですか?
これから勉強される方の参考になればと思い、大げさに書いたり謙遜気味に書いたりせず、本当のことを書いてみたいと思います。

受験したのは今から約15年前。公認会計士の新試験制度が2006年に開始し、簿記が流行していた頃で今よりも受験者は多かったです。
だからといって今よりも難しかったと言いたいわけではないですが、簡単でもなかったと思います。
試験範囲はかなり変わりましたが、合格率は10%前後と当時も今もほとんど変わりはないですね。
私の場合、簿記3級の知識もまったくなかった状態から勉強を始めて簿記一級に受かるまで、約2年2ヶ月、約1200時間の勉強時間がかかりました。
その間、どのように過ごしたかを詳しく書いていきたいと思います。
簿記3級に受かるまで
2008年8月末、同僚と食事会をしていたところ、複式簿記が最近人気らしいよという話になり、軽い気持ちで週末に勉強を始めることにしました。
最初は簿記2級まで受かったら良いなくらいの気持ちで、本屋でネットスクールの「サクッとうかる日商3級」と模試形式の予想問題集を購入。
平日に1,2時間、週末に同僚と集まって3,4時間ぐらい勉強していました。

聞き慣れない単語が多く最初はとっつきにくかったものの、勉強しているうちに意味もわかってきてだんだんと面白さを感じてきました。
2ヶ月後の11月の試験で3級は無事にサクッと合格しました。
簿記2級を受験
次は2月に2級も受かろうと、勉強を始めました。
インターネットで調べると「2級までは独学でいけるらしい」とのことでしたので、本屋で3級で使ったネットスクールの「サクッとうかる日商簿記」シリーズを購入。
3級と同じように、仕事終わりと週末に3,4時間ぐらい勉強していました。
しかし、2級は3級よりもかなり難しく、1月は仕事がたて込んでいたこともあり、2月の試験で落ちました。
仕事をしながら短期間で2級まで取ろうとしていたのが甘かったです。今思えば落ちて当然です。
しかし、当時の自分は何を血迷ったのか「なんで2級に落ちるんだ。こうなったら1級まで取ってやる」と謎の怒りが湧いてきて、1級を目指すことにしてしまいました。
当時、日商簿記1級に受かれば、税理士の試験が受けられるようになったり(2023年には税理士の受験資格が緩和されました)や公認会計士を目指すことも考えられたので、転職する夢を見ていたかもしれません。
資格の学校に通う
簿記1級は独学では難しいと聞いていたので、4月に入り「資格の学校TAC」に申し込み、5月頃から通い始めました。
仕事はほぼ定時で帰れたので、仕事帰りの月、火、木、金曜日に学校に通い、土日に学校の自習スペースで勉強していました。

学校は1日2.5時間、土日は4〜6時間くらい勉強していたと思います。
半年で合格を目指すコースに通っていましたが、当時、合格保証の制度があって「試験に落ちたらもう一度、同じコースを受けられる」ことになっていました。
なので私の場合、5月から10月まで学校に通って受験し、落ちたので1月から6月まで学校に通い受験、また落ちたので7月から11月までは独学という流れになりました。
勉強時間の合計は?
2回落ちた受験直後は1~2週間休んだりもしましたし、きちんと測ったわけではありませんが、上記の生活スタイルから考えると次のようになります。
- 学校の授業(平日):2.5h × 4日 × 4週 × 5ヶ月 × 2回 = 400h
- 自主学習(土日):5h × 2日 × 4週 × 5ヶ月 ×2回 = 400h
- 独学期間(平日):2h × 4日 × 4週 × 5ヶ月 = 160h
- 独学期間(土日):5h × 2日 × 4週 × 5ヶ月 = 200h
- 合計:400 + 400 + 160 + 200 = 1,160h
全部で1,160hとなりました。資格の学校でよく言われている500〜1,000時間よりも、かなり時間がかかっていると思います。
仕事帰りに週4日通っていたので、授業中はとても眠くて集中できていなかったと思います。
また、これは思い違いかもしれませんが、2回目の試験でも運が良ければ受かっていたのではないかと思います。
というのも、日商簿記1級は問題自体の難易度は高いですが、問題数が少ないので、得意分野が出れば運良く受かることもあれば、苦手分野が出れば運悪く落ちてしまうということもあると思うからです。
今回は仕事をしながら受かるまでにかかった時間について書いていますが、簿記の勉強だけ集中してしていれば、もう少し短時間で合格できたかなと思います。
日商簿記1級の合格後
合格する前は、もし日商簿記1級に合格したら税理士や公認会計士を目指そうかと思っていました。
でもあまりにも大変すぎて、これ以上難しい試験を受けるのはやめようと思いました(^_^;)それくらい私にとっては大変でした。
実際、私の場合、試験前に胃腸の調子が絶不調になり体調を崩しました。
本調子に戻るまで、かなり時間もかかりました。
今思うと、週に一度くらい休憩の日を作っていなかったのが良くなかったかなぁと思います。
時々、仕事をしながら公認会計士や弁護士試験に受かる人がいますが、並大抵ではない人だと思います。
おわりに
今回は、日商簿記検定1級に受かった体験について、ご紹介しました。
簿記1級を取得後に仕事で役に立っているかについては、本格的な経理の仕事はしたことはないので、仕事で直接使うことはほとんどありません(^_^;)
ただ、ときどき出くわす財務諸表を見たときに抵抗を感じることは、まずないです。
会計のことで自分がわからないことは周りの同僚もわからないだろうなと、ちょっとした自信にも思えるようになりました。
もちろん税理士や公認会計士の資格を持っている人の方が、財務諸表を深く理解しているのは当然です。
でも、そういう人はその仕事を専門にしているでしょうし、私の職場でそんな資格を持っている人なんていませんでしたので……。
あと転職活動をした際には、興味を持って聞いてもらえます。実務経験がないと即戦力としては扱われないかもしれませんが、努力したことは認めてもらえていると思います。
参考になれば幸いです。
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